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岡山・兵庫 建築視察(8)浄土寺浄土堂

3日間の視察ツアー、最後の見学は兵庫県小野市にある浄土寺浄土堂(国宝)を訪れました。鎌倉時代のはじめ(1192年)、大勧進職の重源上人により建立された建物が今もそのまま残されています。
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大仏様という様式によりつくられているこの建物。その大きな特徴である構造的な合理性は、「真の建築美を構造の合理性に発見しようとする近代建築観」とも符合するものとされています。
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内部の柱梁は朱塗りになっており、格子窓から差し込む西日を受けて堂内が燦然と紅く輝く・・・それがこの浄土堂の素晴らしさです。あいにくこの日は雨もぱらつく曇天でした。しかし、16時の閉堂時間まであとわずか・・というとき、なんと雲の合間から西日がさしこんできました。なんという奇跡!
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堂内では阿弥陀三尊像の背後から差し込む西日で室内が紅く輝いていました。あいにく堂内は撮影禁止でしたが、その感動的な光景をまぶたにしっかりと焼き付けました。

これで、3日間におよぶ視察ツアーは完了。40人規模の視察ツアーの幹事は初めて務めさせていただきましたが、おかげさまで無事進行することができ、私としても大変得るものが多く、充実した3日間となりました。



新井崇文/新井アトリエ一級建築士事務所
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by takatakataka03 | 2016-03-30 09:04 | 岡山・兵庫 建築視察 2016

岡山・兵庫 建築視察(7)箱木家住宅

旧閑谷学校の次は神戸市にある箱木家住宅を訪れました。
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14世紀ごろの建立で、我が国現存最古の民家といわれている建築です。
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軒先は地面からH1560と極めて低く、独特のプロポーションを見せています。当時の人の身長からは、この高さで支障なかったとか。
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開口部は少なめで、人々を守り、包みこむ建築という当時の住宅のありようを感じました
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by takatakataka03 | 2016-03-30 08:09 | 岡山・兵庫 建築視察 2016

岡山・兵庫 建築視察(6)旧閑谷学校

視察ツアー3日目は古建築巡り。まず、岡山県備前市にある旧閑谷学校を訪れました。

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江戸時代、岡山藩主だった池田光政が1670年に建設しました。当時一般的にあった「武士のための学校」とは異なるもので、「現存する世界最古の庶民のための学校」とされています。
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領域は石塀で囲われています。学問のための「聖域」という雰囲気で、隣とした空気が今も漂っています。

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この石塀、珍しく上部が丸い形状となっています。なぜこのような形なのか・・・ずっと疑問に思っていたのですが、この日ガイドの方からその訳を聞くことができました。「上部が丸い石塀であればこの上に城を築けないことは明白である。当時は一国一城というきまりがあったが、この形状により新たな城を築いているという疑いをもたれることはなかった」とのことです。なるほど・・・説得力のあるお話に思わず納得致しました。
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門をはいると講堂があり、
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その向こうには文庫があります。文庫に納められた書物は学校において何より最も大切なものでした。
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文庫の奥には学房という生活場所があります。そこから万が一出火した場合に備えて、文庫と学房との間には火除山という築山があり、これが防火堤の役割を果たしていました。防火という機能をもつ合理的なランドスケープ。そして美しさ・・・これは素晴らしいです。

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石塀は裏山へと続きます。この学校全域を囲む塀はなぜ石塀なのか・・?これも謎でしたが、ガイドの方からお話をきくことができました。これを建設した池田光政(あるいは創設時に学校奉行として手腕を発揮した津田永忠)は「これだけ広域にわたる塀がしっくい塀だと数十年おきに塗り直しの維持管理手間がかかり、後代の人々の財政を圧迫しかねないが、石塀であればきちんと施工すれば後々の維持管理手間がかからない。」と考えたそうです。そして、石積みの際にはひとつひとつの石をきれいに水で洗い雑草の種を除去し、石塀には土を入れず、純粋に石だけで隙間なく積んだそうで、これにより、300年以上経つ今でも石塀には雑草がはびこることなく、崩れずに保たれているとのことです。建設時点だけの手間やコストを考えれば普通にしっくい壁にすればよいところを、後世の人々のことを考え、あえて手間のかかる方針を選ぶ・・・この話には感銘を受けました。
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このようなことこそ、まさに今の世においても見習うべきことなのではないか・・・と、思うことしきりでした。



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by takatakataka03 | 2016-03-25 23:17 | 岡山・兵庫 建築視察 2016

岡山・兵庫 建築視察(5)倉敷美観地区

視察ツアー2日目は倉敷を訪れ、美観地区を巡りました。
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使われなくなった古建築を店舗など新たな用途として再生し、間口が狭く奥行きの深い町家に路地を通し人の流れを活性化する・・・そうしたリノベーションが次々と進められています。
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下見板張りの外壁における、インターホンと郵便受けを隠したおさまり。こうしたディテールにも、景観を損なわないようにという配慮が感じられます。
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倉敷という街のもつ伝統と革新の力をひしひしと感じました。
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by takatakataka03 | 2016-03-22 18:22 | 岡山・兵庫 建築視察 2016

岡山・兵庫 建築視察(4)吹屋の街並み

旧片山家住宅を見学した後は、吹屋の街並みを散策しました。
吉岡鉱山とベンガラの製造が盛んだった江戸末期から明治時代に形成された町並みが今も残されています。
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ベンガラ塗りの板壁、石州瓦の色合い、なまこ壁、漆喰壁・・・これらの組み合わせが実に美しく、いつまでも眺めていたい想いがしました。
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夜にはベンガラ灯篭を街に並べていただきました。
幻想的な夜景。
空を見上げれば満天の星空。
耳をすませば次第に自分の耳鳴りが聞こえてくる程の静寂。
忘れがたいひとときを過ごしました。
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翌朝、高台から眺めた街の全景。石州瓦の屋根の連なりが実に美しいです。こういう景観はとても現代では造りだせないもの・・・ご先祖様から我々日本人が受け継いだ、貴重な遺産なのです。
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by takatakataka03 | 2016-03-21 20:44 | 岡山・兵庫 建築視察 2016

岡山・兵庫 建築視察(3)旧片山家住宅

広兼邸の次は吹屋の中心街の旧片山家住宅へ。江戸時代後期に建てられた商家です。


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土間を抜けると落ち着き感のある中庭へ出ます。
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面する蔵の外壁はベンガラ塗りの板壁と、ベンガラ入りの土壁。ともに赤みを帯びた、やわらかく温かみのある色合いで、見ていてなんともほっこりした気持ちになりました。石州瓦も赤みがかった色合いで実に良く調和しています。
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by takatakataka03 | 2016-03-21 20:25 | 岡山・兵庫 建築視察 2016

岡山・兵庫 建築視察(2)広兼邸

西江邸の次に向かったのは、同じく吹屋地区にある広兼邸。1810年に建てられた庄屋屋敷です。
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そそり立つ石垣が実に見事。これはどちらかというと住宅というよりは城郭に近いような印象です。
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坂を上がった先にある楼門の2階は「不寝番部屋」。守衛が24時間常駐して人の出入りをチェックしていたそうです。
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しっくい壁となまこ壁のコンビネーション、そして石州瓦からなる姿が美しい母屋。
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母屋の座敷や庭からは、かつて銅山の採掘場であった対面の山全体が一望できました。
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映画「八つ墓村」の舞台ともなった広兼邸。独特の雰囲気がありました。




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by takatakataka03 | 2016-03-20 17:55 | 岡山・兵庫 建築視察 2016

岡山・兵庫 建築視察(1)西江邸

家づくり学校のメンバーで、岡山・兵庫の建築視察に出掛けてきました。
今回は約40人参加の視察ツアーで、私は幹事として事前の企画から当日の進行まで携わらせていただきました。

初日まず訪問したのは岡山県吹屋にある西江邸。
江戸時代にベンガラ製造で栄えた西江家の代官屋敷で、築300年を越えます。
ふたつとして同じ色合いのない石州瓦、美しいなまこ壁、その他見事な大工・職人仕事が今も残されているのを見て廻るうちに、心が満たされていく想いがしました。
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なまこ壁の詳細です。左のほうがより古い時代のもので、凹凸模様や曲線の美しさに高い技術が見られます。
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私が特に感じ入ったのは正面右手のファサード。異なる素材の組み合わせとプロポーションの美しさに心打たれました。
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建物と塀に囲われ緑潤う、素敵な外部空間が随所に見られます。
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昔の高い手仕事技術と富により実現された見事な建築。これほど見事な建築が今も残されているとは、驚きです。
次は広兼邸を訪れます。





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by takatakataka03 | 2016-03-19 22:45 | 岡山・兵庫 建築視察 2016

手作りパン

3月は年度末・・・節目の季節です。

息子の通う、学童保育の父母会でのこと。
この1年間、我が家は役員メンバーとして会計を担当してきましたが、
我々役員メンバーに「おつかれさまでした!」と手作りパンを焼いてくれた方がいらっしゃいました。
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学童保育の会計というのは補助金の関係もあり、実際やってみると業務はそれなりに大変です。
でも、このようなかたちでその労をねぎらっていただけるとは・・・そのお気持ちがずっしりと詰まったパンの味わいは、最高でした。
ありがとうございました!



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by takatakataka03 | 2016-03-15 18:40 | 日々の暮らし


「光」「風」「緑」といった自然の恵みを活かした住まいを設計しております。ご連絡はこちらまで→info@arai-atelier.com


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